もっとかっこいいデザインをしたい
「テレビ番組の最後に名前が流れる会社なんだ」という程度の認識でしたので、仕事でデザインが出来ればいいと思い入社しました。 最初は無我夢中でただ仕事をこなす事で精一杯でしたが、色々経験して行くうちに「もっとかっこいいデザインをしてみたい」「もっと違う経験をしてみたい」と思い始めました。
現在はデザイン室で空間デザイナーとして業務しています。主に展示会のブースや各種イベント装飾、コンサートのセットデザインなど、一言で「空間デザイナー」と言っても業務内容は様々です。作業内容もプレゼン用のパースを書く事もあれば、製作図面も書きますし、簡単なグラフィック作業もします。業務の進め方は、基本的に社内の営業担当がクライアントから業務内容を聞いて来て、それを社内で打ち合せしながら進めて行く事が多いです。場合によっては直接クライアントと打ち合せをする事もありますし、社外各セクションの方々と意見を出し合いながら進めて行く事もあります。コンサートセットではアーティスト本人と打ち合せをしながらデザインする場合もありますし、ケースバイケースです。
空間をより一層引き立てるための『おもいやり』
あるアーティストのコンサートセットのデザインを担当した時に感じたのは、「コンサートに来ているお客さんは、誰一人セットのデザインを見に来ているのではない」という当たり前の事でした。
ではなぜセットが必要なのか?セットは見に来ている人が、そのアーティストの世界に浸るお手伝いをする為の物。いわば、和食の盛付けの「カイシキ」みたいな物だと思います。
無くても料理として成立している物を『より一層引き立てる』のが、ディスプレイする意味だと思います。これはコンサートに限った事ではなく、展示会のブースデザインにも共通する事で、展示会に来る人は展示物を見に来ています。いかに展示物を見やすく引き立てるかを第一に考えなければならない。それを考えるには、見に来る人の事をどれだけ「おもいやる事が出来るか」が重要です。どんなにカッコいいデザインをしても、見づらければいいデザインとは言えません。プランする時、どうしてもコンピューターの中だけで考えてしまうので、見つめ直す時に、『おもいやり』が出来ているか確認しながら仕事を進める様に心がけています。
身近にあるヒントやアイデアを拾っていく
常日頃から、デザイナーとしての目で色々な物を見るようにしています。電車に乗っていても吊り下げ広告などを見るとグラフィックのネタになるし、街を歩いていても面白い建物やカッコイイお店などがたくさんあります。それらを見て、今やっているデザインにどのように取り入れようかと考えています。ただ見るのではなく、身近にあるヒントやアイデアを拾っていくという事は、必然的に習慣になりました。パソコンの前だけでは、どうしても同じようなアイデアになってしまいます。インターネットの中だけでも非常に多くの情報が得られますが、やはり自分の目で見た情報が一番です。
自分ひとりでは行けなかった世界に行ける
当社の得意とする「仮設物」は、短い物なら数時間飾られて、その後は撤去されます。一瞬の輝きの為に多くの人と多くの時間を掛けてひとつの物を作り上げて行く面白さがあります。また、毎回違うシチュエーションの中で求められる事も様々です。デザインを行う上で、いつも同じ進め方ではうまく行かない事が多々あります。常に新しい発見や刺激を受けてアイデアを出して行くところが、何より大変で、何より楽しいところです。
仕事は「一人でやりきれる物は何一つ無い」と言い切れる程、みんなで力を出し合って完成させて行くものです。自分はタブーだと思っていた事が違う考えの人の意見でカタチをかえて花が咲く、またその逆に自分は正解だと思っていたものが違っていた事も。色々な人と関わって意見交換しながら、自分ひとりでは行けなかった世界に行ける。仕事を通じてそんな経験をさせてもらえるのが、仕事をする一番の楽しみではないでしょうか。 『つむら工芸』は、ドキドキハラハラ感を共有しながら一つの物を作り上げていく。そんな仕事が出来る会社です。